「A」ハイボードにおけるCB額について
前回までのあらすじ:
BTNvsBBにおけるCBについて分析しています。
シチュエーションは前回の記事と同様です。
●シチュエーション
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●ボードの各「ハイカード」による分類について
400のボードをハイカードごとに分類しました。
ただし、400のうちペアボードが61個あり、これらは先般の記事で体系化済みなので、以降の分析では除外します。
(参考)ペアボードにおけるCB
前回記事の図から対象を絞り、400からペアボードを除いた339について、ボードで最も大きい「ハイカード」ごとに分類した場合のエクイティおよび適正Betサイズは、下図のとおりになりました。
左から二番目の列「ボード数」は、400のうちペアボードを除いた各ハイカードのフロップ数を示しています。
当たり前といえば当たり前ですが、「A」ハイボードが一番多く、339のフロップのうち96あります。全体のフロップ数が400ですから、つまりは4回フロップが開けば1回くらいは、ペアボードでない「A」ハイボードが出てくるようです。
ということで、手っ取り早くボードの大部分を占めている「A」ハイボードから分析してみましょう。「A」ハイボードだけ頑張れば、BTNvsBBにおけるボードの25%程度は考察したことになります。
●①「A」ハイ+2ndハイ「X」ボードによる分類
まずは、96種類の「A」ハイボードについて、「A」の次に大きい2ndハイカードを抽出し、一覧に並べてみました。(ついでに、以下の考察では使いませんが、3ndハイも並べました。)
(BTN側のエクイティが高い順に並べています。)
一見すると、BTNに有利な2ndハイカードは、「T」より大きいブロードウェイカードに集中しているようです。
また、この時CBサイズについても、pot100%Betを推奨することが多いようです。
(例として、一番上の[AhJd2s]のボードでは、BTNのエクイティは56.4%です。
このとき、GTO戦略でのBTNの最適なアクションは、(pot100%Bet,70%,33%,Check)を(22.3%,1.6%,19.2%,56.8%)で採るようです。)
これらの結果について、「A」+各2ndハイボードにおけるCBサイズおよびBet頻度をまとめたところ、以下のようになりました。
この表からいえることは、以下のとおりです。
● 【Check】
・一見オリジナル有利に見える「A」ハイボードにおいても、BTN側は相手のCheckに対して、50%程度のCheckレンジを持つ。
●【Bet】
・「A」ハイ+(「K」~「T」)ハイのとき、BTNのCBはpot100%程と大きく打つ。
・対して、「A」ハイ+(「9」以下)ハイのとき、CBはpot33%程と小さく打つ。
⇒一言でいえば、「A」ハイボードにおいて、2ndハイカードが大きいほどCBは大きく、2ndハイカードが小さくなるほどCBは小さくが望ましいようです。
●②「A」+2ndハイ「X」ボードとスーツによる分類
「A」ハイボード+2ndハイによる分類については、先ほどの図でまとめたとおりです。
ただ、上図には「レインボー」、「ツートーン」および「モノトーン」まで、あらゆるスーツのボードが含まれています。
先程の図の結論として、「2ndハイカードが大きいほどCBは大きく、2ndハイカードが小さくなるほどCBは小さく」を挙げましたが、これはどのようなスーツのボードに対しても共通なのでしょうか。
これを検証するため、先程の「A」+2ndハイの表をさらに細かく分類し、ボードのスーツごとに下図にまとめてみました。
(要するに、先ほどの集計をさらに3パターンのスーツに分類しています。)
横長なので図がちっちゃくなりました。
ポーカー狂ならこの表だけで米3杯は食えそうですね。自分には無理でした。
注目していただきたいのは、「3.モノトーン」におけるBetサイズです。
「1.レインボー」および「2.ツートーン」については、先の結論のとおり、概ね似通ったBetサイズの傾向が見受けられます。
一方で、「3.モノトーン」ボードでは、明らかにpot100%Betの比率が減り、GTO戦略の選択肢からほぼ外れています。
●まとめ
以上の①②の検証から、概要をまとめると以下のような結論となります。
●BTNvsBBにおいて、モノトーンを除く「A」ハイボードでのCBは、「2ndハイカードが大きいほどBetサイズは大きく、2ndハイカードが小さくなるほどBetサイズは小さく」することで、GTO戦略が採るBetサイズを踏襲することができる。
ちなみに、そういえば過去記事でも、「A」ハイボードにおけるpotオーバーのCBについて、軽く触れていました。
なんとなく、「A」ハイボードでの適正Betサイズの傾向はわかりました。
とはいえ、実践に活かすうえで、もう一つ重要なのは、「どんなハンドでCBを打つか」です。
次は、実際に「A」ハイボードの一例を取り出して、GTO戦略がCBを推奨するハンド分布について、分析したいと思います。