ポーカーGTO戦略のまとめ

GTO+でポーカー戦略を考えるブログ。Twitter:@NENDERS_Poker

①BBvsBTN(3betpot)のボードファクターによる回帰分析について

Q.あなたはBBで、vsBTNの3betpotを開きました。

これからフロップが開くところですが、もしボードのスートテクスチャを

①レインボー

②ツースート

③モノトーン

の3択から1つ選べるなら、どれにしますか?

 

今回は、そんなお話です。

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ちょっと前からBBvsBTN(3betpot)の分析をしています。

 シチュエーションは過去記事のとおりです。

hmpokergto.hateblo.jp

ちなみに、当ブログにおける3betpot分析の進捗は、段階分けするとこんな感じです。

 

1.GTO戦略による理論値の導出(←今ココ!)

2.疑似GTO戦略の模索(←でもホントはココが一番楽しい)

3.理論値と疑似GTO戦略によるEVとの検証

4.疑似GTO戦略の策定

 

面白さ的には「2.疑似GTO戦略の模索」に移りたいところですが、今回は「1.GTO戦略による理論値の導出」について、もう少し細かく分析をしてみようと思います。

●ボードのスートファクター別分析

GTO戦略による理論値の導出そのものについては、前回の記事で既に終わっています。

その際に、BBのCBサイズはCheck/Bet(25%pot)/Bet(36%)/Bet(50%)/Bet(70%)/Bet(100%)と決めていました。

 

GTOは、ランダムな1,000のボードに対し、この6つのアクションを混合して搾取不可能なCB戦略を導出しています。

では、GTOはボードの何を見て、CB戦略を決めているのでしょう?

 

この疑問に対する1つの答えが、冒頭の問いにあります。

早速、答え合わせしましょう。

 

下図は、1,000ボードを①レインボー②ツースート③モノトーンに分類したものです。

それぞれのテクスチャについて、BB(3bet)の「平均EQ」と「平均EV」を計算しました。

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どうやら、それぞれのテクスチャ間には、有意なEQ・EV差があることが見受けられます。

平均EQ」および「平均EV」から判断すれば、BBvsBTN(3betpot)において、BBが最も望ましいテクスチャは「①レインボー」です!

正解の方はおめでとうございます。

僕は勝手に「②ツースート」くらいがフラドロもあってCB打ちやすいから良いなと思ってました。

 

ところで、なぜフロップは「①レインボー」がBBにとって一番望ましいのでしょう?

この答えは、3betpotにおけるBBおよびBTNのハンドレンジの特徴にあります。

 

●BBvsBTN(3betpot)におけるダイナミックボード

前回の再掲になりますが、下図がBBvsBTN(3betpot)のハンドレンジになります。

①BB(3bet)                ②BTN(Call_3bet)

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もちろん、①BB(3bet)vs②BTN(Call_3bet)において、①BB(3bet)には[AA],[KK],[AK]といったプレミアハンドを持っており、レンジvsレンジの総体エクイティでは、①BB(3bet)が優位に立っています。

ですが、こうしたハイポケットは、フラッシュやストレートが見込まれるダイナミックなボードにおいて、十分にエクイティを発揮できません。

 

また、①BB(3bet)のハンドレンジには、ブラフレンジとして多くの[AXs]が含まれており、フラッシュの可能性があるボードは、オリジナルのBB側にも望ましいように思えます。 

しかし、①BB(3bet)と②BTN(Call_3bet)を図で見比べると、ハンドレンジに占めるスートハンド(ハンドレンジの青い部分)の割合は、一目で②BTN(Call_3bet)が多いことがわかります。

(ちなみに、青の濃淡は見えにくいですが、Snowieの設定どおり、②BTN(Call_3bet)における[AXs]の数十パーセントをブラフ4betに回しています。)

 

この結果として、フロップのボードテクスチャをみると、BBのエクイティは、「①レインボー>②ツースート>③モノトーンの順に並んでいることがわかります。

 

GTOを追って(次回)

スートについては、BBが好ましいパターンがわかりました。

ですが、フロップのボードには、スートの他にも「ペアボード」「ローボード」「ボードのハイカード」「ストレートコンボがあるボード」…など、さまざまなファクターがあります。

 

こうしたボードファクターは、GTO戦略へのどういった影響をもたらすのか? 

GTOは計算結果を出力するだけなので、GTO戦略の背景は、私たちが考えなくてはなりません。

 

次回、各ボードファクターを説明変数として重回帰分析を行い、「GTOはボードの何を見て、CB戦略を決めているのか?」を検証します。