②BBvsBTN(3betpot)のボードファクターによる回帰分析について(結果)
最近はブログよりnoteにアップするのがアツそうですね。
今度試してみようと思います。
●GTOを追って
前回は、ボードのスートに絞ってBBの「平均EQ」および「平均EV」について分析しました。
結論として、BBは「①レインボー」のボードが最も望ましいことがわかりました。
しかし、ボードにはもっとたくさんのファクターがあります。
これらを準備すれば、スート以外のそれぞれのボードファクターについても、BBのGTO戦略に与える影響がわかるかもしれません。
今回のテーマは、「GTOはボードの何を見て、CB戦略を決めているのか?」です。
●ボードファクターの作成
まずは、1,000あるボードについて、それぞれボードの要素を示したファクターを設定します。
具体的には、以下のとおり定めました。
1.スート(ダミー変数:1 or 0)
(1) レインボー
(2) ツースート
(3) モノトーン
2.ペアボード(ダミー変数:1 or 0)
※フロップでペアボードの場合に「1」
3.ストレートコンボ(ダミー変数:1 or 0)
※フロップでストレートが作れるコンボが存在する場合に「1」
4.ボードのハイカード(変数:2~14)
5.ボードのSUM値(変数:6~42)
以上5つの要素をもとに、「GTOの平均CBサイズ(AVERAGE_BET)」について重回帰分析します。
上図のように、関数を組んでボードファクターを説明変数に変換した後、「AVERAGE_BET(対pot比)」に対して回帰分析しています。
その結果、以下の表が出てきました。
1,000のボードは、全て①レインボー②ツースート③モノトーンのどれかに分類されることを踏まえ、イメージが簡単なように、「Constant is Zero」で回帰分析をしています。
各説明変数が有意水準であることを確認のうえ、この表をもうちょっと見やすくすると、こんな図になります。
●分析結果(CBサイズ早見表)
上図における「CBサイズ(%)/1単位」は、各ボードファクターの変数1単位の変化が与えるCBサイズ(対pot比)への影響を回帰分析で計算したものです。
この結果から、BBvsBTN(3betpot)において、BBの最適CBサイズは、以下の「①初期値」⇒「②修正値(固定)」⇒「③修正値(可変)」のプロセスで導出できることがわかります。
①初期値
1.スート
(1) レインボー…BBの平均CBサイズは47.2%(pot)
(2) ツースート…BBの平均CBサイズは40.1%
(3) モノトーン…BBの平均CBサイズは22.6%
②修正値(定数)
2.ペアボード(ダミー変数:1 or 0)
ボードがペアボードの場合、「初期値」から▲5.52%
3.ストレートコンボ(ダミー変数:1 or 0)
ボードにストレートを作るコンボがある場合、「初期値」から▲13.5%
※フロップにおいて、ペアボードとストレートコンボ有りが重複するボードはありません。
③修正値(可変)
4.ボードのハイカード(変数:2~14)
ボードのハイカード×▲0.80%
(Aハイボードであれば、14×▲0.80%=▲11.2%)
5.ボードのSUM値(変数:6~42)
ボードのSUM値×+0.19%
([AdKdAh]のAAKボードであれば、SUM値41×0.19%=7.79%)
ボードファクターの影響がもたらすGTO戦略への影響は、こんな結果になりました。
私たちBBは、3betpotのボードを見たときに、「①初期値」⇒「②修正値(固定)」⇒「③修正値(可変)」のフィルターを通せば、GTOの平均CBサイズを概算することができます。
とはいえ、まだ数値だけを見ても、イメージが湧きにくいかもしれません。
次回は、ボードの具体例と、導出された結果の考察をしたいと思います。