ポーカーGTO戦略のまとめ

GTO+でポーカー戦略を考えるブログ。Twitter:@NENDERS_Poker

②BBvsBTN(3betpot)のボードファクターによる回帰分析について(結果)

最近はブログよりnoteにアップするのがアツそうですね。

今度試してみようと思います。

GTOを追って

前回は、ボードのスートに絞ってBBの「平均EQ」および「平均EV」について分析しました。

hmpokergto.hateblo.jp

結論として、BBは「①レインボー」のボードが最も望ましいことがわかりました。

 

しかし、ボードにはもっとたくさんのファクターがあります。

これらを準備すれば、スート以外のそれぞれのボードファクターについても、BBのGTO戦略に与える影響がわかるかもしれません。

 

今回のテーマは、「GTOはボードの何を見て、CB戦略を決めているのか?」です。

 

●ボードファクターの作成

まずは、1,000あるボードについて、それぞれボードの要素を示したファクターを設定します。

具体的には、以下のとおり定めました。

 

1.スート(ダミー変数:1 or 0)

 (1) レインボー

 (2) ツースート

 (3) モノトーン

2.ペアボード(ダミー変数:1 or 0)

※フロップでペアボードの場合に「1」

3.ストレートコンボ(ダミー変数:1 or 0)

※フロップでストレートが作れるコンボが存在する場合に「1」

4.ボードのハイカード(変数:2~14)

5.ボードのSUM値(変数:6~42

 

以上5つの要素をもとに、「GTOの平均CBサイズ(AVERAGE_BET)」について重回帰分析します。

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上図のように、関数を組んでボードファクターを説明変数に変換した後、「AVERAGE_BET(対pot比)」に対して回帰分析しています。

 

その結果、以下の表が出てきました。

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1,000のボードは、全て①レインボー②ツースート③モノトーンのどれかに分類されることを踏まえ、イメージが簡単なように、「Constant is Zero」で回帰分析をしています。

 

各説明変数が有意水準であることを確認のうえ、この表をもうちょっと見やすくすると、こんな図になります。

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●分析結果(CBサイズ早見表)

上図における「CBサイズ(%)/1単位」は、各ボードファクターの変数1単位の変化が与えるCBサイズ(対pot比)への影響を回帰分析で計算したものです。

 

この結果から、BBvsBTN(3betpot)において、BBの最適CBサイズは、以下の「①初期値」⇒「②修正値(固定)」⇒「③修正値(可変)」のプロセスで導出できることがわかります。

 

①初期値

1.スート

 (1) レインボー…BBの平均CBサイズは47.2%(pot)

 (2) ツースート…BBの平均CBサイズは40.1

 (3) モノトーン…BBの平均CBサイズは22.6

 

②修正値(定数)

2.ペアボード(ダミー変数:1 or 0)

 ボードがペアボードの場合、「初期値」から▲5.52%

 

3.ストレートコンボ(ダミー変数:1 or 0)

 ボードにストレートを作るコンボがある場合、「初期値」から▲13.5%

※フロップにおいて、ペアボードとストレートコンボ有りが重複するボードはありません。

 

③修正値(可変)

4.ボードのハイカード(変数:2~14)

 ボードのハイカード×▲0.80%

 (Aハイボードであれば、14×▲0.80%=▲11.2%

 

5.ボードのSUM値(変数:6~42

 ボードのSUM値×+0.19%

 ([AdKdAh]のAAKボードであれば、SUM値41×0.19%=7.79%

 

 

ボードファクターの影響がもたらすGTO戦略への影響は、こんな結果になりました。

私たちBBは、3betpotのボードを見たときに、「①初期値」⇒「②修正値(固定)」⇒「③修正値(可変)」のフィルターを通せば、GTOの平均CBサイズを概算することができます。

 

とはいえ、まだ数値だけを見ても、イメージが湧きにくいかもしれません。

次回は、ボードの具体例と、導出された結果の考察をしたいと思います。