BBvsBTN(3betpot)におけるCB戦略について(導入)
ポーカー界隈で著名なLillian氏の動画は、既に視聴済みですか?
当ブログの分析のスタートは、この動画にあります。
加えて、当時GTO+という廉価版Pioが出回ったことも、分析を始める一助となりました。
当時、それまではGTOという言葉もイマイチ苦手でしたが、この動画の「EV_Lossを基に、簡略化した疑似GTO戦略で実用化する」という考えに感銘を受けました。
そして、今では実際のハンドヒストリーから抽出⇒レンジ設定⇒解析の一連作業について、自動化する方までいらっしゃいます。
作っていたPioSOLVERクライアントを公開しました。結構便利です。
— fujiwara kota (@koudayu) 2019年1月27日
PioHelperを公開しました|fujiwara.kota|note(ノート) https://t.co/SHxaO3QyQT
いやあすごいなあ。
このビックウェーブに乗って、GTO+からPioに乗り換えようか考えているところです。
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さて、2月になったので新しいことを始めましょう。
前回までは、BTNvsBB(2bet pot)のCB戦略を解析してきました。
これまではIPであるBTN側の分析でしたが、今回からは、コメントでリクエストがあったBBvsBTN(3bet pot)におけるOOPのBB側を分析してみます。
目標としては、集合分析を経てGTO戦略の体系化を図り、実戦で簡単に使える「お手軽GTO」を策定することです。
それから、「モノトーン」や「ペアボード」といった、ボード毎のファクターがCB戦略にもたらす影響についても、研究できたら楽しそうですね。
今回の分析において、設定した前提条件は、以下のとおりです。
●シチュエーション
・Preflop(100bb持ち)
BTN:2.5bb open
SB:Fold
BB:3bet 7.75bb
BTN Call 7.75bb
・Flop(16bb pot)
BB:GTO(Check/Bet(25%pot)/Bet(36%)/Bet(50%)/Bet(70%)/Bet(100%))
※BBは、GTOによって計算された上記6種のアクションの混合戦略を採る。
●ハンドレンジ
ハンドレンジの設定には、Poker SnowieのPreflop Advisorを参考にしています。
・BB(3Bet vsBTN )
3betを打つBBのハンドレンジには、[AA],[KK]といったプレミアハンドに加えて、[AKo],[AQo]など強いAハイ、また全ての[AXs]が含まれています。
そのほか、[KQo],[QJo]のコネクタと、10%程度のウェイト(10回に1回程度の頻度)ではありますが、[98s]~[54s]といったスーコネが含まれています。
これに対して、3betにCallするBTNのハンドレンジは以下のとおりです。
・BTN(Call 3bet vsBB)
BTNは、[KK](15%),[QQ](100%)といった強いハンドから、[64s],[53s],[22]といった弱いハンドまで、かなり広いレンジで3betに対してCallしていることがわかります。
(ポケットペアの全部とスートワンギャッパーまでは、基本3betに対してCallできます。)
なお、BBの3betに対する4betのハンドレンジは、[AA],[KK](85%)のプレミアに加え、(色の濃淡は見えにくいですが)[A8s]~[A2s]の20%程度を採用しています。
●フロップボード
フロップボードの組み合わせとして、GTO+におけるrandom flopsの最大値である1000フロップを用意しました(当社比2.5倍)。
2bet potに比べてハンドレンジが狭い影響か、想定より解析時間は短く済みました。
●BBのGTO戦略におけるアクション内訳
シチュエーションのとおりですが、BBvsBTN(3bet)において、potは16bbと設定。
GTOでBBが採り得るアクションは、Checkを含めた以下の6種類です。
BB:GTO(Check/Bet(25%pot)/Bet(36%)/Bet(50%)/Bet(70%)/Bet(100%))
※パーセンテージの内訳は、[9c4c5d]におけるBBの最適CB戦略分布。
この6種類のアクションを選択肢として、GTOはボードごとにBBのCB戦略を解析します。
まずは、GTO戦略の体系化に向けて、EV_Lossの基準となる「最適EV」を求めます。
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長くなってしまいましたが、前提条件は以上のとおりです。
次回からは、BBvsBTN(3betpot)の集合分析に入ります。