ペアボードにおけるCBの体系化について(導入)
前回までのあらすじ:
ボードテクスチャに応じたCB額の変化を見ました。
特に影響が強い項目としては、
・「ペアボードで小さく打つ」
・「ハイカード『A』で大きく打つ」
の2つがありました。
また、その他に影響が小さい項目としては、
・「ツースートはやや大きく」、「レインボーはやや小さく打つ」
・「ハイカード『Q』で小さく打つ」です。
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ここまで、どういった要素がCB額の大小に影響するのかを調べました。
ここからは、実践で活かす方法を模索します。
今回は、ペアボードにおけるCBの最適戦略の体系化を考えます。
ここでいう体系化とは、プレイヤーが実践で活かすため、何かしらのルールを決めて、疑似的にGTO戦略を採ろうというものです。
なお、シチュエーションは、前回同様にBTNvsBBです。
前提条件
シチュエーション:
6max(スタック100bb)
BTN:2.5bbオープン
BB:Call
↓
※フロップ:ペアボード
BB:Check
BTN:??
●BTNオープンレンジ(PokerSnowieのプリフロップアドバイザーを参考)
●BB Callレンジ
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フロップはペアボードに限定し、以下の32パターンを用意しました。
まずは、適正なアクションを採った時の指標となるGTO戦略を回します。
GTO戦略は、上記32パターンのペアボードにおいて、アクション(60%,33%,Check)が適正にミックスされたアクションを採ります。
結果は、以下の図のとおりになりました。
Checkの比率が低い順に並び替えています。
上記32パターンのペアボードにおいて、各アクションのパーセンテージの平均値は、以下のようになりました。
・Bet60%:15.27%
・Bet33%:59.40%
・Check:25.32%
Bet60%とBet33%を合算したCB率は約75%であり、一般的なフロップのボードよりも、「小さくたくさんCBを打つ」ことが推奨されていることがわかります。
(
表の一番上の[Qc4s4d]では、Checkの比率は0.007%しかなく、ほぼエニハンでBetが最適となります。
対して、一番下の[Ad5s5h]では、Checkの比率が53.285%です。
ペアボードでは、平均値では高いCB率が推奨されるものの、その種類によって、どうやら何か傾向があるようです。
→次回に続きます。
)
ただ、このGTO戦略は、アクションがかなり複雑にミックスされているため、なかなか真似できません。
そこで、何かしらルールを決めて、このGTO戦略のEV値とさほど変わらない戦略が採ることができれば、「疑似GTO戦略」として使うことができそうです。
次号は、「疑似GTO戦略」を策定し、ペアボードにおけるCBの体系化を試みます。