BTNvsBB(2BetPot)におけるボードストラクチャー別CB戦略のまとめ
これまでの記事の振り返りです。
各ボードストラクチャーの結論を抜粋しています。
分析経緯・具体例等を確認したい場合は、下に添付した過去記事をご覧ください。
●分析条件
BTNvsBBのハンドレンジは、前回までと同様、以下のとおりです。
初期スタック:100bb
BTN:2.5bbオープン ⇒ BB:Call
<Flop>
BB:Check ⇒ BTN:??(Bet100%,Bet70%,Bet33%,CheckによるGTO戦略)
※ターン・リバーのBetサイズは75%potに固定
●BTN側のハンドレンジ
※PokerSnowie PreflopAdviserを参考に設定しています。
●BB側のハンドレンジ
※BTNと同様に、PreflopAdviserを参考に設定しました。(J4s、26sなど微妙なハンドを除いています。また、Axs、K6sなど薄い部分は、50%ウェイトに設定しています。)
●結論
400のフロップを以下の①~⑥に分類し、BTNのGTO戦略を分析しました。
例によって図は小さくなりがちです。
まず、フロップを「ペアボード」か「ペアボードでない」かに分類しています。
(全て同じ数の[6s6d6c]といったボードも存在し得ますが、今回の400のフロップではありませんでした。)
そして、前者のペアボードについては、ボードでペアを作った数字によって、
①ローorハイペア(2~4,T~A)
②ミドルペア(5~9)
の2つに分類しました。
また、後者のペアボードでないフロップについては、ボードのハイカードをもとに、
③「A」+「T以上」ハイ
④「A」+「9以下」ハイ
⑤「K」・「Q」ハイ
⑥「J以下」ハイ
に分類しました。
以下、過去の記事から、①~⑥におけるBTNのGTO戦略をまとめていきます。
●ペアボードのフロップ
①ローorハイペア(2~4,T~A)
例)[KcKh4d]、[5d2d2c]
ローペア(2~4)は、どちらにもヒットしている可能性が低いため、相対的にハンドレンジが強いBTN有利なボードである(BTN側には、BBには無い[AA],[KK]などハイポケットが存在する)。
また、ハイペア(T~A)は、オリジナルであるBTN側にヒットしているコンボが多く、有利なカードである。
⇒BTNは、全てのハンドで33%potのCBを打つことで、疑似GTO戦略を採る。
②ミドルペア(5~9)
例)[As6s6h]、[8d8c6h]
ミドルペア(5~9)は、オリジナルのBTNよりも、コール側のBBにヒットしている可能性が高いカードである。
そのため、BTN側は①に比べ、保守的にショウダウンバリューを優先する。
⇒BTNは、トリップス以上のハンドを全て33%potのCBを打ち、それ以外のハンドの70%で33%potのCBを打ち、30%でCheckすることで、疑似GTO戦略を採る。
●ペアボードでないフロップ
③「A」+「T以上」ハイ
例)[AsKs8h]、[AhTh8d]
「A」+「T以上」ハイボードにおいて、BB側のコールレンジは、セット・ツーペアといった強いメイドハンドが作りにくいため、多くがワンペアといったマージナルな強さのハンドである。
これに対し、BTN側は、ポラライズされた(強弱が両極端な)ハンドレンジで、中頻度かつ特大のCBを打つ。
⇒BTNは、「TPGK(AヒットTキッカー)以上のメイドハンド(ツーペア、セット等)」と「ガットショットストレートドローorバックドア2種orスモールポケット」のハンドにおいて、100%potのCBを打つ。
④「A」+「9以下」ハイ
例)[As9h2c]、[Ac5c4d]
ボードには「A」が落ちており、引き続きBTN有利なボードではあるものの、BB側のハンドレンジには、トップ2ペアやセットといったメイドハンドを作るコンボが③よりも多い。
そのため、BTN側は、高いエクイティを活かしつつ、メイドハンドにペイオフしないように、小さく高頻度でCBを打つ。
⇒BTNは、[KK],[QQ]などのハイポケットや[KQ],[KJ]など強いKハイをCheckし、これらを除く殆どのレンジでpot33%のCBを打つことができる。
⑤「K」・「Q」ハイ
例)[Kh5h9c]、[QsJs4h]、[KdTdJc]
「K」・「Q」ハイのボードにおいても、BTN側には高いエクイティがある。
こうしたボードにおけるCBは、ベットサイズの大小にさほど影響なく、BB側に
存在する「完全にミスしたハンド([A6o]や[75s]など)」を降ろすことができる。
⇒BTNは、全てのハンドで25%potのCBを打つことで、疑似GTO戦略を採る。
⑥「J以下」ハイ
例)[JcTc8s]、[Jd4d8h]、[Ts4s5h]
「J以下」ハイのボードは、相対的にコール側であるBBのハンドレンジにヒットしていることが多い。
BTN側は、ボードストラクチャーに応じ、「オーバーペア・TPTK」といったハンドがValueを打てるかによって、CBの頻度・サイズを変える必要がある。
⇒BTNは、Checkを含めた全アクションにおいて、平均80%程度potのCBを打つことができる(中頻度特大CB)。ただし…
①ストレート条件(フロップストレートが作れるコンボがある)…影響力大
②コネクタ条件(ボードにコネクタがある)…影響力小
③モノトーン条件(ボードがモノトーンである)…影響力小
に該当する場合は、CB頻度・Betサイズともに低くする必要がある。
以上が、これまでのBTNvsBBにおけるボードストラクチャー別CB戦略をまとめたものになります。
もちろん、ここでのGTO戦略とは、あくまで先に示したハンドレンジ間における最適戦略の一例であり、一概に「BTNvsBBにおける正解」ではありません。
ただ、特定のハンドレンジ間における最適戦略の解を知ることは、GTOが示す最適戦略の特徴を知るうえで、一つの参考になると思います。
ところで、BTNvsBBの特徴は、BTNはポジションの有意性を活かしてオープンし、BBは比較的緩いオープンのBTNに対して広くディフェンスすることから、お互いが広いハンドレンジを保っていることでした。
次回以降は、よりBBのハンドレンジを緩くor狭くした場合や、ハンドレンジをUTGvsBBに変えた場合では、この記事で定型化されたCB戦略がどのように変化するのか、検証してみようと思います。